こちらの記事では、ワークの位置決めを正確に行い固定するために用いられる旋盤用治具について紹介しています。旋盤用治具を活用するメリットや種類、治具を製作する際のポイントをまとめました。
旋盤用治具とは、旋盤加工においてワーク(加工物)の正確な位置決めを行い、旋盤にしっかりと固定を行うための補助工具です。一般的には三ツ爪チャックなどの「汎用保持具」が使用されていますが、複雑な特殊形状のものや強い力では歪んでしまう薄肉ワークを用いる際には不向きであるといえます。
そのため、ワークの形状に合わせた保持力が求められるケースや、量産加工においては迅速な着脱が必要となるといった背景から、専用に設計された「専用治具」が必要となります。
専用治具を使用する大きなメリットとしては、ワークを一定の基準で固定ができるため、加工精度を安定させられるという点です。人の手による作業を行った場合には、作業者の熟練度によって品質にバラつきが発生します。このような場合に治具を導入することによって手作業特有のブレや誤差の解消ができます。その結果、誰が作業を行ったとしても均一な品質を持った製品を安定して加工できるようになります。
旋盤加工を行う際の段取り作業に要する時間は、全体の加工時間に影響します。専用治具を用いることによって、所定の位置にワークを設置するのみで位置決めが完了することから、段取り時間の短縮につながります。この点から工作機械の停止時間が減り、生産性の向上にも寄与します。
三ツ爪チャックでは均等に把持することが難しい異形品や、クランプ時の圧力によって変形しやすい薄肉ワークの加工を行うにあたって、専用治具を利用することは大きなメリットがあります。標準の保持具では作業を行うことが困難だった部品についても専用治具を用いることで対応が可能となることから、加工の幅を大きく広げることができます。

汎用旋盤などを使用する際、ワーク(加工物)を固定する治具です。ワークを掴み固定する部分である生爪を六角形にしており、加工して使える部分を増やしている点がポイントとなっています。この点から生爪ひとつあたりの消費寿命を伸ばすことができることからランニングコストの削減に加え、保管スペースの節約に繋がるというメリットがあります。

写真は、旋盤用面盤治具とマシニング治具です。この旋盤用の面盤治具は、1箇所に特殊な爪を製作してクランプする構造となっている点が特徴となっています。
| 設備 | 加工特性 | 治具の役割 | 設計の注意点 |
|---|---|---|---|
| 汎用旋盤 | 手動操作/単品・試作 | 脱・熟練化、位置決め容易化 | 操作性と構造のシンプルさ |
| NC旋盤 | 自動化・量産/高速回転 | 高い繰り返し精度、強力保持 | 切粉(切りくず)詰まり対策 |
| 複合加工機 | 工程集約(旋削+フライス) | 複合荷重への耐性、正確な位相決め | 工具との干渉防止(小型化) |
治具を製作する際のポイントはいくつか挙げられます。
まず、ワークの変形防止という観点から、クランプ力(締め付け力)の分散や接触面の設計が重要となります。さらに、加工を行う際に切粉が挟まることで位置決め精度が低下してしまうという状況を防ぐためにも、加工中の切粉の逃げを確保することも必要になってきます。
また着脱の容易さと安全性を考慮することも重要となってくるため、作業者が直感的にセットでき、ヒューマンエラーを防ぐための設計を行います。そして最後に、基準面(データム)の選定と耐摩耗性の観点から、摩耗しやすい部位についてはS45CやSKD材などを選定する、焼き入れ処理を行うといった形で耐久性を高めるのもポイントとして挙げられます。
加工治具メーカーは、対応できる加工方法だけでなく、自社の現場課題に合った技術や製品を持つ会社を選ぶことが重要です。本メディアでは、「切粉の詰まりやワークのビビリ・歪み対策」「治具交換・芯出しの効率化」「固定・搬送・治具交換の自動化」という3つの課題・目的別に、おすすめの治具関連メーカー3社を紹介しています。各社の強みや製品例もまとめていますので、メーカー選びの参考にしてください。
加工治具メーカーは、得意とする技術や提供する製品によって、解決できる課題が異なります。
ここでは、加工現場で抱えやすい課題や導入目的に合わせて、おすすめの治具メーカー3社を紹介します。
引用元:株式会社グローバル公式サイト
(https://www.landingpage-synergy.com/Sp6X7DKw/)
引用元:イマオコーポレーション公式サイト
(https://www.imao.co.jp/products/pullfix.html)
引用元:コスメック公式サイト
(https://www.kosmek.co.jp/products/robot/)